山本益司郎先生の立ち坐りのご指導です。
山本先生は立ち坐りについて次のようにご指導されたことがありました。
「立ち坐りである。
(体の)前面をスーッと上げる。
下りるときは背中を通して下りる。
それで、股ぐらを通って肚へ入れる。
釣り針のようにくるっと回って入る。
これは禅の呼吸である。
合気道の呼吸はもう一度くるっと回って下へ落ちる。
禅は座って止まっているからである。
禅は、二つの呼吸がある。
縦筋の呼吸と、横筋の呼吸がある。縦の呼吸、横の呼吸がある。
(禅は)背中を通って、くるっと回って肚に入る。
(禅は)縦軸と横軸の呼吸をしている。
合気道も同じである。
座るときにズーっと上げている。
大先生の杖のところ(上で回して円を描くところ)である。
そこまで上げておく。
それが背中を通って下りてくる(肚でくるっと回って下りる)。
剣も同じである。二段切りしている。エイ、スッと。
上がるときは、そのまま(肚から)上がる。
(前で)上がって、背筋におりてくる。
軽みと重みが同時存在している。
そうすると、座っていても楽に座れる。
上がっているから(足に)負担がかからない。
これは、禅のお坊様と問答したことである(下記画像)。
座っているとは、上から落ちてくることではないよということである。
前の方は上がっているのである。
背中から落ちてきても、前の方は上がっているから、楽である。
座っているのも楽である。
いつまでも座っていられる。
足がしびれても忘れて座っていられる。」